今回は中国市場向けには、避けたほうがよい表現について
考えてみます。
過去の記事はこちら
→【レーティング】中国では女性の胸は4分の1以上露出してはいけない?適齢表示の詳細
中国は、人口世界一を誇る大国ですので、
その市場に対してアプローチすることは、どのエンタメにとっても重要なことだと思います。
しかし、その一方、中国では表現規制が厳しいことでも有名ですね。
今回は、そのうちの1つ、「タイムトラベル」に関する記事を
紹介します。
タイムトラベルは歴史の軽視にあたる
ずいぶん前の記事になりますが、
以下の記事に、とてもわかりやすく、内容がまとまっています。
中国でタイムトラベルの映画やテレビドラマが禁止に 理由は「歴史軽視」(シネマトゥデイ)
元々中国は、その歴史も長く、重んじる傾向にありましたが、
「歴史を軽視している」という理由から、タイムトラベルの作品が規制されるようになった、という記事です。
歴史の改変は、現政権に対する批判
歴史を重んじていない、つまり、その歴史が紡いだ結果である現状への不満から
歴史を改変してしまおうと考えることは、現政権に対する批判に繋がる、
という考え方だと言われています。
それは最終的に、中国政府に対して否定的であるかどうかが、問われています。
そう考えると、中国側の姿勢は一貫していて、筋が通っていますね。
タイムトラベルをしていなくても注意が必要
つまり、主人公が時空を超えるというストーリーであっても
歴史を改変しよう、といった内容でなければ、規制対象にはならないのかもしれません。
ですが、それは逆に、タイムトラベルをしていなくても、
それが最終的に、歴史を侮辱したり、否定をしたりする内容であれば
注意が必要だということにも繋がることが予想されます。
例えば日本でも人気の中国の歴史上の偉人、三国志の関羽が、
現代に生まれ変わったという設定で
だらしない人物に描かれていたり、暴虐の限りを尽くす人物に描かれていたりしたら
どうでしょうか?
関羽はそういう人物ではなかった、というメッセージであるとして
それが歴史への批判ととられる可能性もあるかもしれません。
そういった表現は、中国市場を視野に入れるのであれば、避けたほうが無難でしょう。
おわりに
以上、中国でのタイムトラベルの表現について考えてみました。
思い描いたストーリーが、その国の方針によって表現できないことは
残念なことではありますが、それだけエンタメが人に与える影響力が大きい、
ということの証左でもあると思います。
国によって、配慮を重ねながら、表現を考え続けていきたいですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。